地震津波の会では、2つの目的で定期的に減災訓練を実施しています。 一つは、いざという時にみなさんがアプリケーションを使って避難行動につなげていただくため。二つ目は「迅速に・確実につながる」インフラをみなさんと共に検証してゆくためです。
今回3月11日(月)に実施いたしました訓練の結果について、ご報告いたします。
今回の訓練の参加者
(設定にて減災訓練参加をONの方)
1,488人
地震津波インフラの通信状況に関する皆さんの回答を集計しています。
今回の訓練も多くの方が、他のアプリを立ち上げていたあるいは、しばらくスマートフォンから離れており、普段の生活と同様の環境でご参加いただきました。
アンケートの結果、iOS版は100%、Android版は97%の方に通知が届いており、ほぼ正常に動作した結果となりました。
接続状況は9割以上の方が問題なくつながったと回答しています。
次に、みなさんの訓練時の避難行動はどうだったのか振り返ってみます。
「ふーん」って思った方「どうしよう?」と思った方が減少し、避難行動のイメージをできた人も増加する結果となりました。
今後も定期的に減災訓練を実施していきますので、「まず何をすべきか?」といった避難行動を考える機会に繋げられたらと思います。
緊急地震速報が発表された時に何もしていない人が約35%、なんらかの避難行動を取った人が約65%という結果となりました。また、発表後の確認でも、何もしていない人が約2割、なんらかの確認を取った人が約8割でした。
行動ができなかった方は、場所に応じてどういう避難行動を取ったほうが良いのか考えておく必要があります。
「4.地すべりによる津波は予測が困難である」でした。
能登半島地震でも富山湾の海底で地すべりが発生し、津波が早く到達したと考えられています。まだ、海底地すべりや山体崩壊発生の検知や、発生した津波の波源を特定するのが困難なため、予測には反映されていません。津波警報・注意報が発表された際、このような地すべりによる津波の発生するケースもあるため、到達予想時刻に限らず、津波到達時刻に限らず、一刻も早く高台に避難する必要があります。
1.に関して、津波は海が深いほど速く伝わる性質があり、沖合いではジェット機に匹敵する速さで伝わります。浅瀬になるほど速度が遅くなりますが、それでも自動車が一般道を走る速さに相当します。
2.に関して、津波の高さと地震の大きさは必ずしも一致しません。震源が深い場合は津波が発生しなかったとしても、揺れが大きくなることがあります。
3.に関して、波浪の周期は数十秒、津波の周期は数十分と、津波は波浪よりも周期が長くなります。
今回の訓練では、訓練直前に地震が発生しましたが、アプリの動作としては特に問題はなかったといえます。
意識や記憶は行動を伴うことで、持続されます。この減災訓練という行動を通して、みなさんやその周りの人々の避難意識を持続していきましょう。
次回の訓練は2024年6月を予定しています。今後も訓練を実施していきますので、減災意識向上のため、是非ご参加ください。